歯列矯正は何歳から?子どもと大人で違う矯正治療の目的と進め方
「歯列矯正は何歳から始めるのがよいの?」
「子どものうちにやらないと間に合わないのでは?」
このような疑問をお持ちの方は、年齢や立場を問わず多いかもしれません。
歯列矯正は見た目の問題だけでなく、かみ合わせや将来のお口の健康にも関わる治療であるため、始める時期を慎重に考えたいと感じるのは自然なことです。
そこで今回は、
・歯列矯正は何歳から何歳まで検討できるのか
・子どもと大人で、矯正治療の目的や進め方がどう違うのか
ということについて、できるだけわかりやすく解説します。

森川 泰希 院長
院長略歴2012年 大阪歯科大学歯学部卒業
京都府立医科大学付属病院や三菱京都病院にて幅広い診療に携わる
クローバー歯科・美容クリニック 勤務
大阪インプラント総合クリニック 勤務
2026年 ループ歯科・矯正歯科クリニックを開院
医院名:ループ歯科・矯正歯科クリニック
所在地: 〒 532-0024
大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目10−8
十三西口医療ビルⅠ・2階
歯列矯正は何歳から何歳まで?|年齢の上限はありません

最初に結論をお伝えすると、歯列矯正に「何歳まで」という年齢制限はありません。
厚生労働省による歯科保健関連事業や、大学病院・学会の研究チームによる見解でも、歯や歯ぐき、歯を支える骨(歯周組織)が健康であれば、年齢に関係なく矯正治療は可能とされています。
また、お子さまの場合は、乳歯と永久歯が混在している時期から始めるのが一般的です。
ただし、これは「何歳でも同じ治療ができる」という意味ではないのがポイントです。
成長途中のお子さまと、成長が完了した大人の方とでは、治療の目的や進め方が異なります。
それぞれの年齢やお口の状態に合わせた矯正治療の方法を検討することが、非常に重要です。
次からは、さらに詳しくみていきましょう。
小児矯正、成人矯正、いつから始める?

歯列矯正は、成長途中のお子さんを対象とする「小児矯正」と、成長が完了した後に行う「成人矯正」にわけて考えられます。
小児矯正は「乳歯と永久歯が混在している時期」から
「乳歯と永久歯が混在している時期」から、永久歯が生えそろって顎の成長が落ち着くころまでが小児矯正の範囲と考えられます。
成人矯正は「顎の成長がほぼ完了した時期」から
永久歯が生えそろい、成長が落ち着いた後であれば、年齢に関わらず成人矯正の対象になります。
年齢そのものよりも、「顎の成長が続いているかどうか」が、小児矯正と成人矯正をわける目安です。
お子さまや保護者の方だけでは、判断が難しい場合もあると思います。
当院のような、小児矯正も成人矯正にも対応している矯正歯科クリニックでしたらお一人お一人の成長段階に合わせたご提案ができますので、お気軽にご相談ください。
お母さまとお子さま、ごきょうだいなど、ご家族で同時期に矯正治療をされることも、治療へのモチベーションアップにつながりますのでおすすめです。
子どもの歯列矯正|小児矯正とはどのような治療?
小児矯正の特徴は、歯を動かして歯並びを整えることだけを目的とするのではなく、顎の成長やお口の機能の発達を考慮しながら治療を進める点にあります。
学童期から思春期にかけては、身体全体の成長に伴い、顎や顔面の骨格も大きく変化する時期です。
この成長が「将来の歯並びやかみ合わせ」に影響するため、成長の様子をみながら矯正治療の必要性を判断することが重要と考えられています。
歯をきれいに並べる前に「土台を整える」治療が中心
小児矯正では、まだ歯をきれいに並べることを一番の目的としないケースも少なくありません。
むしろ、次のようなことに注目し、「土台を整える」ことが重視されます。
・顎の幅が狭く、永久歯が並ぶスペースが不足している
・上下の顎の成長バランスに偏りがある
・口呼吸や舌の癖など、歯並びに影響する習慣がある
これらは、将来的に歯並びが悪くなる「原因」に関わる要素です。
歯列不正は、歯の大きさや本数だけで決まるものではなく、顎の成長や噛む・飲み込むといった口腔機能の発達とも関係すると考えられています。
成長期の顎の発育や生活習慣が歯並びに影響することが、これまで多くの矯正歯科や小児歯科の研究や臨床を通じて指摘されてきました。
そのため、小児期の歯列矯正では、歯並びだけを診るのではなく、顎の成長や口腔機能の状態を含めて総合的に診ることが大切です。
小児矯正を検討するタイミングの考え方

小児矯正を始めるタイミングはお一人お一人で異なり、「何歳になったら矯正を始める」という決まりはありません。
ただし、次のような変化が見られたら、矯正歯科での相談を検討することをおすすめします。
・前歯が永久歯に生えかわったが、きれいに並ぶスペースが足りない
・上下のかみ合わせが大きくずれている
・受け口や出っ歯の傾向が目立つ
早めに相談することで、「今すぐ治療が必要なのか」「経過観察でよいのか」を専門的な視点で見極めることができます。
早めに小児矯正歯科に相談することで、お子さまに合ったタイミングを見逃さず、適切な時期に矯正治療を開始することができるでしょう。
大人の歯列矯正|何歳からでも検討できる理由

大人の歯列矯正は、成長が完了した状態を前提に治療を進めます。
成長期が終わっていても歯は動く
大人になると顎の成長を利用することはできないとはいえ、歯を動かす力そのものは年齢によって失われるわけではありません。
成人の歯列矯正治療では、顎の成長が終了した状態でも適切な力を用いて歯を移動させることが可能であることが確認されています。
大人の矯正で重視されるポイント
大人の歯列矯正では、次のような点を丁寧に確認しながら治療計画を立てます。
・歯周病にかかっていないか
・被せ物や詰め物の状態は適切か
・かみ合わせによる歯への負担はないか
大人の矯正治療では、歯周組織の健康状態が、治療を進めるうえで重要なポイントです。
歯周病が進行している場合は、先に治療を行ってから矯正を始めることになります。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」では、成人以降は年齢が増すにつれ歯周病の有病率が高くなることが示されています。
特に、45歳以上では過半数が歯周病の有病者であることがわかっているのです。
矯正治療と並行して歯周組織の健康管理を行うことで、長期的なお口の健康につなげていきましょう。
参照:厚生労働省|健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「歯周疾患の有病状況」 >
子どもと大人で異なる矯正治療の目的

歯列矯正というと、「歯をきれいに並べる治療」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
しかし実際には、子どもと大人では、矯正治療でめざすゴールが異なります。
成長途中のお子さまと、成長が完了した大人の方とでは、治療に活かせる条件が違うためです。
子どもの矯正治療の目的
子どもの矯正治療のおもな目的は、将来の歯並びやかみ合わせを見据えた環境づくりにあります。
具体的には、次のような点が挙げられます。
・顎の成長バランスを整える
・永久歯が適切に並ぶスペースを確保する
・かみ合わせのズレを早期に修正する
成長期に顎の発育やかみ合わせの方向性を整えることで、将来的な歯列不正の程度や、本格矯正の際に抜歯などの身体への負担を抑えられる可能性があります。
大人の矯正治療の目的
大人の矯正治療では、顎の成長を利用することはできません。
そのため、現在の歯並びやかみ合わせを前提に、治療計画を立てていきます。
目的としては、次のような点が挙げられます。
・歯並びとかみ合わせを整え、一部の歯にかかる負担を分散させる
・歯磨きしやすい環境を整え、むし歯や歯周病のリスクを下げる
・被せ物やインプラントなど、将来の治療を見据えてかみ合わせを整える
こうしたお口の健康維持に関する目的に加え、「口元の見た目を整えること」も、大人の矯正治療では重要な目的の一つです。
機能面と審美面の両方を考えながら、「自分の歯を長持ちさせるための口内環境」を整えていきます。
矯正治療の進め方|子どもと大人で、どう違う?

子どもの矯正は、成長に合わせて段階的に進めます
子どもの矯正治療は、顎や歯の成長に合わせて進めていくのが一般的です。
最初の段階では、歯を1本1本きれいに並べることよりも、顎の成長の様子やかみ合わせの状態を確認しながら、必要に応じて装置を使って「土台」となる口内環境を整えていきます。
その後、永久歯が生えそろったタイミングで、「本格矯正で歯並びを整える治療が必要かどうか」を改めて判断します。
将来を見据え、成長に合わせて段階的に進めることで、身体への負担を抑えながら、よりよいお口の状態に整えていくという方法です。
大人の矯正は、お一人お一人に合わせて無理のない治療計画を立てます

大人の矯正治療では、顎の成長を利用できないため、治療を始める前に、現在の歯並びやかみ合わせ、歯ぐきの状態を丁寧に確認しておくことが大切です。
その上で、どの歯をどのように動かすのかなど、お一人お一人のお口の状態に合わせて無理のない治療計画を立てていきます。
矯正治療は、ほかの歯科治療に比べて治療期間がかかりますので、期間中のモチベーションを保つためにも、治療を始める前には、
・どのくらいの期間がかかるのか
・どのような矯正装置を使うのか
・なぜその方法が選ばれるのか
といった点について、しっかり説明を受け、納得した上で進めることが大切です。
「目立ちにくい矯正装置がいい」など、希望があればカウンセリングの際に伝えておきましょう。
矯正治療は「総合的なお口の診療」を行う当院へご相談ください

矯正治療だけを切り離して考えるのではなく、かみ合わせ、歯周組織、将来の治療計画まで含めて検討することで、患者さまにとって無理のない治療方針をご提案します。
通いやすさと継続しやすさも大切にしています
矯正治療は、一定期間の通院が必要となる治療です。
そのため、通いやすい立地や、相談しやすい環境も重要な要素になります。
歯列矯正について気になることがある方は、どのようなことでもご相談ください。
丁寧なカウンセリングを通じて、お一人お一人に合った治療の選択肢を一緒に考えていきましょう。







